あまりにもくだらないウワサ話に、いちいち怒る気力もなくなった。

出来るものなら誰とも関わらず引きこもってしまいたいと思う。


「誰よりも幸せになれば、いいんだよ」

「え?」

エー子の意外な言葉に、私は食べていたお弁当の箸を止めた。

「誰よりも幸せに?」

「うん、だって、美月みたいに美人はそれだけで幸せなことだと思うのよ。それをみんなは妬む。だから、それ以上に幸せになるの」

「……」

「そうしたら幸せいっぱいで、周りの声なんてどうでもよくなるでしょ。周りも、何言っても通用しないってわかるはず」

「ぷ……前の私みたい」


好きなことにしか興味はなくて、他のことに無関心で、誰が何を言おうと知ったこっちゃないって思ってた。


「そう! 前の美月みたいに。前の美月は色んな意味で最強だったもん」

「どういう意味~?」

前の私か……。