長い夏休みも終わり、気持ちが晴れないまま、新学期を迎えた。



「ねーねー、羽田さん彼出来たらしいよー」

「えー本当!?」

「夏休み、いつも男といるところ、よく見かけられてたらしいよ」

「やっぱり美人だから彼もいるよねー。フリーだなんてウソじゃんねー」

「あーでも、いろんな男と一緒で、本当に彼なのか不明」

「えーマジー!? すごい女ー」

「人の彼とったりって、あれも本当らしいよー」

「結局美人って、性格悪いんだねー」



気付けば、いつの間にか、あることないことウワサが流れていた。

「なんなの、これ! こんなウワサ流すの一体誰よ!?」

私よりお怒りのエー子。

「まぁ、今に始まったことじゃないし、結構鍛えられたかな」

「何言ってんのよ、美月はー! このままにしといて言いわけないじゃん!」


私とエー子は教室から離れ、校庭の隅にある花壇の石垣に座り、お昼をとっていた。


「やっぱり、まだ外は暑いねー」

もう9月も半ばだというのに、ギラギラと太陽は私たちを照り付ける。

「もー美月は、のん気すぎるー」

「だって、どうしたらいいか分からないじゃない。ウワサ一つ一つ訂正出来るわけじゃないし」

「そうだけどさー」

「……どうしてこんなことに、なるのかなぁ」