「なんでオレが、あんたの都合でこの幼稚園を守るためだけに、決められた人と付き合わなきゃいけないんだ!」

「……先生……」

「美月のように障害があっても、誰にも分ってもらえず苦しい思いをしながら生きている人を、あんたはどうして、そんな言い方が出来る!? それでよく、子供を育てる仕事なんかやってられるな!」

「先生!」

私は先生の腕を掴んだ。


「……」

先生は我を忘れたように怒りに任せ、息を切らしながら怒鳴り続けていた。


「……先生、ありがとう」

「……美月……」


正気に戻ったように、いつものように私を見つめる目は……悲しそうに見えた。


「先生……もう、いいよ」

「美月……」


もういい……。


もう、いいんだよ……。