二年前までは何も知らない人。
それが今はこんなにも大切な人になっていて、障害が原因の色んなことを助けてもらったり、相貌失認のことを前向きに受け止めてくれる人。
それなのに……お父さんもお母さんも、先生のこと何も知らないくせに……。
「もうすぐ学校が始まると、また先生も忙しくなっちゃうね」
「うん……それは、しょうがないよ。あ、そういえば、エー子のところにも副園長からメールきた?」
「え? 副園長? リーフ幼稚園の? メールなんてきてないよ」
「そうなんだ……なんだろう……」
「メールきてたの?」
「うん、今朝メールきてて、今日の夕方に園の方に来てほしいって」
「えーなんだろう……。幼稚園も今は夏休みの時期で誰もいないはずでしょう? なんか怖くない?」
「うん……」
七夕祭りの時以来、結局、副園長とは話も出来ずだった。
私のやらかしてしまったことが、副園長の機嫌を損ねてしまったのだろうと思っていたから、バイトを終えた後もあえて連絡もしていなかったけど……。
それがかえっていけなかったのかな……。