「今度は見失わないように、変な男に声を掛けられないように」

先生は繋いだ手にギュッと力を込める。


「うん……」

私は恥ずかしくて、うつむいた。


電気のような痛みが走った後、どんどん温かくなっていくような気がして……それが手から体中へと広がっていく。

まるで、先生に守られているような安心感。


暑い夏なのに、先生は私の手を離そうとしない。

時々振り向く先生の笑顔にホッとする。


どこかで……こういう安心感をずっと待っていた気がした……。