「それを証拠に、ほんのちょっと離れただけで、すぐに男に声をかけられる」
「……それは私には本意なことじゃないことだけど」
「本意じゃない?」
「うん……」
私は冷たいアイスティーを一口飲むと、息を吐いた。
「前にも言ったけど、私は自分の顔さえ分からないの。だから美人とか可愛いいって言われてもピンとこない。あ……でも、先生に言われたら嬉しいんだけど」
あたふたする私に、先生は笑った。
「……前に、仲の良かった男の子に告白されたことがあって。でも私の障害のことを話したら『俺には抱えきれない』って。結局、私の外見にしか興味はなくて……。私は大切な友達だって思ってたのに……」
「……」
「友達も失って、心も傷ついて……その時から男の人を信じられなくなったし、怖いと感じるようになった。あっでも、先生は違うんだけど」
「ぷっ……ありがと」
また、あたふたする私を見て、先生は笑った。