「ごめん……LINEじゃなく、ちゃんと電話すればよかったな」

「……ううん」

こんなことで不安になってしまうなんて……前の私はこんなんじゃなかったのにな……。


水族館に入ると、ヒヤッとした冷たい空気に包まれた。

照明が落とされた暗い中を歩くと、天井まで伸びるような大きな水槽が目に飛び込んできた。

美しい青い海の色、その大水槽の中でキラキラときらめく魚の群れ。


「すごい……」


私は高くまで伸びる水槽を見上げた。


「この5万尾のイワシの群れが、天の川みたいに見えるんだよ」

「天の川……」


水槽の上から降り注ぐ太陽の光を受けて、小さなイワシ一尾一尾がキラキラ輝く星のように見えた。

その群泳が、まるで天の川……。

例えが圭先生らしいと思った。