見つめる目は、いつも以上に心配そうな……。
「行ってきます!」
「美月!」
この時の私は、お母さんのいつもの心配性が出ているだけだと思っていた。
お母さんの心の中を知らずに━━━━。
少し早めに着いてしまった、待ち合わせ場所。
みんな同じ水族館に行く人たちなのか、カップルやファミリーの姿が多い。
「……」
人の多いところは、やっぱり今も苦手……。
私はベンチに座り、うつむいた。
「……」
待ち合わせの時間になっても、先生は来ない……。
一人で時間をつぶすのは好きじゃない。
人に声をかけられたり見られたりするのが嫌で、緊張で、私はさらに深くうつむいた。