「だってこれ……本当かな……」
「は!?」
「本当に圭先生からなのかなぁ……こんな突然ウソみたい……」
「ウソでもいいじゃない! 本当だったらラッキー! 早く『はい』って返信するの!」
「う……うん」
ドキドキで手が震えた。
「はい」ってたった二文字なのに、上手く打ち込めない。
こんな緊張初めてかもと思うほど、心臓がバクバクしていた。
やっと「はい」と送ると、先生からはすぐに返信がきて、あっという間にデートの日時が決まってしまった。
あまりの猛スピードな展開に、私たち二人で呆然とする。
固まったままの私を見て、エー子は「ヤバイ! ヤバイ! ヤバイ! ヤバイ!」と連呼する。
「えーっと、洋服とー靴とー。あとバッグも必要でしょー」
「エー子、何言ってんの?」
「デートに必要にもの買いに行かないと!」
「えー? 別になんでもいいんだから……」
「駄目よ! せっかく先生が誘ってくれたんだから、可愛くしたいじゃない!」
「……」
まったくエー子は……。
こんな話をすることなんて、もうずっとなかったから、自分のことのように考えてくれて、本当はすごく嬉しくて……。
「エー子ありがとう」
「先生とのデート、ちゃんと報告してよー。あーアタシまでドキドキしちゃう!」