「エー子ちゃん、美月ちゃん、お疲れさまー!」
大きな声が聞こえると、事務室から出てきた小島先生が、私とエー子に大きな花束をくれた。
「わあ! ありがとうございます!」
エー子には浴衣と同じビタミンカラーのヒマワリ。
そして私には、真ん中にピンクのバラが入った、少し大人の雰囲気に見えるブーケ。
「美月ちゃんには、私たちはやっぱりピンクが似合うと思ったの」
「……ありがとうございます」
ピンクのバラ、私に似合う……?
ギュッと花束を抱えると、私は嬉しくて微笑んだ。
「二人ともお疲れさま」
「園長先生!」
「忙しかったお祭り前から頑張ってくれて、ありがとう」
「園長先生……」
昨日あんな大変なことをしてしまったのに……。
ねねちゃんも、お母さんも、園長先生も……みんな優しくて、嬉しくて……。
バイトしてよかった……。
でも……。
「……」
ここに副園長の姿はなかった━━━━。