バイト最終日の今日は、昨日の七夕祭りの後片付けだった。

大きな笹から飾りを外し、窓ガラスや壁に貼られていた飾り付けやポスターを剥がしていた。


「美月、ごめんね……」

「え?」

振り返り見ると、エー子がなんとなくしょんぼりとした感じに見えた。

「なんでエー子が謝ってんの?」

「昨日のこと……アタシがバイトを誘ってさ、美月の障害のこと何も考えずに、平気平気なんて言っちゃって……」

「ああ、ぜんぜん!」

「……副園長にキツイこと言われて、辛い思いしただろうなって……」

「エー子……」

「アタシ本当にダメなやつ……。美月のことなんでも理解してるって、理解出来てるって思ってたのに、何も出来てなかった……」

「……」

『本当にダメなやつ……』エー子もそんなふうに思うことがあるなんて……。


障害があるとか、それが原因とか、そんなんじゃなく、誰もが思うことなのかもしれない。

私はどうしてこんなにも苦しくて、悩んでいるんだろうと思っていた。

自分が一番辛い思いをしているんだと、きっと思いすぎていただけ……。