「もう自分が悪いんだと思わなくていいんだよ。相手のことばかり考えて、私は失礼な奴だとか、もうそんなふうに思わなくていいんだ」

「……」

先生にきつく抱きしめられ、私は胸の中で何度も何度もうなずいた。


どう例えたらいいのか……。

忘れかけていた大切な何かを思い出したような……。

無くしていたパズルのピースが一つ、また一つと埋まっていくような……。

私の中で確実に何かが変わっているのが、分かった。



電車の中から見た星空は、七夕の夜にふさわしく、星たちは美しく瞬いて。


私に話しかけているような、何か伝えているような、そんな気がしていた。