「……圭先生は?」
「え? 葉山先生?」
「うん」
「あれ……まだ戻ってきてないのかも……」
エー子の言葉に、私は再び園を飛び出した。
「えっ美月!? どこ行くのよー」
スマホには幾つも先生からのLINEが届いてた。
先生はまだ、ねねちゃんを探してくれているんだ。
園を出てすぐの角を曲がった瞬間、「わっ」という声がして、ぶつかりそうになった先生の姿があった。
「美月!?」
「先生!」
「何その恰好、大丈……!?」
私は先生に飛びついた。
「ねねちゃん、みつかったの!」
「そうか! よかった!」
飛びついた私を、先生はギュッと抱きしめた。
その瞬間、またいつものビリッという痺れるような、静電気のような痛み……。
でも、そんなこと構わずに、私は先生を思い切り抱きしめた。
この時……。
心のどこか……
胸のどこか……
『やっと会えた』
そんな声が聞こえたような気がした━━━━。