私は慌ててトイレまで戻ると、全てのドアに声をかけた。

「ねねちゃん? ねねちゃんいる!?」

トイレの扉を開けるが、そこにねねちゃんの姿はなかった。


「……」

どうしよう……。


私は急いで外に向かった。

両親のところに戻っているかもしれない……。

園内から飛び出ると、たくさんの人たちの姿に一瞬パニックになる。

人の顔が……。


私は急いでスマホを取り出すとエー子に電話をした。

震える手……ドキドキと緊張で心臓が飛び出しそうになっていた。


エー子……エー子出て!


「美月?」

ポンと肩を叩かれ、ビクッと体が跳ねた。

「どうした?」

振り向くとそこに、圭先生が立っていた。


「先生! どうしよう!」

「え!?」

「ねねちゃんが……ねねちゃんが居なくなっちゃったの!」

「美月ー!? どうしたのー? あ、先生と一緒かー」

「エー子!」

私の電話に気付いたのか、エー子が小走りで来てくれた。



「お願い! ねねちゃんを探して!」