気付くと、バタバタと先生や父兄さんが出入りしているのが見えた。
たくさんの荷物を抱え、外へ運び出している。
屋台で使うものが足りなくなってしまったのだろうか。
「あれ!?」
その人たちの間をすり抜けるように、ねねちゃんが走って行く後ろ姿が見えた。
「えっ、いつの間に出たの!?」
私は急いで、ねねちゃんを追いかけた。
「ねねちゃん!」
玄関の方に走って行く姿を追いかけ、角を曲がった所で追いつくと、そこにはお母さんらしき女性が立っていた。
「さくら、行くわよー」
「!?」
さくら!?
振り向いたその子をよく見ると、顔の形や髪の色や、前から見た服のデザインも違っていた。
「……」
ねねちゃんじゃない……。