私たちのバイト終了時間が近づくと、園児たちのお迎えに来るお母さんたちの姿も増えた。
私とエー子は後片付けを急ぐ。
そこには、圭先生の姿もあって。
「圭さん、お手伝いすみません」
小島先生が言うと、「園長が留守だから、こんなことくらいしか出来ないんですけど」と言って先生は笑った。
「ラッキーだったね」
エー子がコソッと私に言った。
「うん」
昨日、星空に願ったからかなぁ。
こんなにすぐ先生に会えるなんて……嬉しい。
一日でみんなで作った笹飾りが山のようで、壊れないよう慎重に袋に入れた。
明日はいよいよ飾り付け。
園児やそのご家族が書いた大切な短冊もたくさんある。
私もエー子ももらった短冊。
何の願い事を書こうかな……。
「おつかれさま」
見ると先生が私に声をかけてきてくれた。
「先生……」
「どうした?」
「あ、ううん……」
こうやって普通に話せるようになるなんて……。
二年前はずっと見つめるだけの人だったのに……。
手に持った短冊に、私は書くことを決めた。