「羽田さん、どうしたの?」

「……」

「ねねちゃんに話しは聞いて、理由は分かったけど……」

「すみません……」


小島先生に事務室に呼ばれ、注意を受けていた。


「秋山さんと羽田さんには、私たちの手伝いやお祭りの準備というふうにお願いはしているけど、園にいれば子供たちとも話すことはあると思うの」

「はい……」

「この短い間にって難しいかもしれないけれど、子供の顔と名前を把握することは頑張ってほしい」

「はい……」


私はただただ返事をすることしか出来なかった。

先生のような仕事を私が出来るはずがない……でも手伝うくらいなら出来るかもしれない、そう思っていた。

子供は好きだし、お世話をすることは苦じゃない。

でも、今回のことで子供たちの繊細さが分かった気がした。

とても、とても気の遣う仕事だと感じた。

それだけでも大変なのに、一人一人の顔が分からない……名前と顔が一致しない……こんなんじゃ、この仕事はできるはずがないよね……。