「美月!」と呼ばれ、突然肩を触られた時の恐怖。

誰だかわからない人からいきなり触られる恐怖。

それが、お父さんやお母さんの声だと気付くのに時間がかかった。


これはいったい何なのか……。

私は夢を見ているんだろうか……。


私が運ばれて来て大変な手術を受けたこと、ずっと目が覚めなかったことの説明を受けたとき、私は事の大きさを初めて知った。

そして、「人の顔がわからない」と言ったときの周りの人の動揺が一瞬の無言で、私の身に大変なことが起こっているとわかった。