たくさんの園児が、遊具や砂場で遊んでいた。
「えっと……はなちゃんはお砂場にいるんだね?」
私はねねちゃんにそう言いながら、砂場へ向かった。
「もう、おすなばにいない」
「えっ……」
砂場にはたくさんの子供たちがいる。
格好やスモッグの色で男の子か女の子かは分かるけど……。
「えっと……はなちゃんはどこだろう……」
「あっち!」
ねねちゃんが指をさす方向にも、たくさんの子供がいる。
「……」
どの子がはなちゃんか分からない……。
「おねえちゃん……」
「あ……うん……」
ねねちゃんが私の手をギュッと握り、一人では行けないといったような顔をする。
「ねねちゃん、おねえちゃんを、はなちゃんの所に連れて行ってくれる?」
「……」
「ねねちゃん?」
「ねね……いけない……はなちゃんおこってるもん……」
そう言うと、メソメソと泣き始めた。
「ねねちゃん……」
「羽田さん! どうしたの!?」
お庭で子供たちと遊んでいた先生が私の元へ駆け寄って来た。
「あ……あの……」
理由を話しても……顔が分からないなんて言えない……。
「すみません……」
私は謝ることしか出来なかった。