「みつきおねえちゃん」

突然声をかけられ下を見ると、そこには初日に声をかけてくれた『ねねちゃん』が立っていた。

ねねちゃんは、あれから会えばいつも一番に挨拶してくれて、「おねえちゃん、おねえちゃん」と声をかけてくれるから、案外すぐ気づけるようになった。

「ねねちゃん、どうしたの? みんな外で遊んでるんだよね?」

私は、ねねちゃんの前にしゃがみ込んだ。


「うん。おすなばで、あそんでたんだけど……」

「遊んでたんだけど?」

何かもじもじするような、ねねちゃんに詳しく話しを聞く。


「はなちゃんと、おすなばであそんでたんだけど」

「うん」

「だけど、ねねがね……」

「うん、大丈夫、話してくれる?」

そっと、ねねちゃんの手を握った。

「うん……ねねがね、はなちゃんが、おすなばであそんでたおもちゃをとっちゃったんだ」

「ねねちゃんが?」

「うん」

「そっか……」


悲しそうに見えたねねちゃんの顔……。


「じゃあ、おねえちゃんと、はなちゃんに謝りに行こうか?」

「うん! いっしょにきてくれる?」

「もちろん!」


ねねちゃんと手を繋ぐと、私はお庭へ出た。