急いで来た道を駅まで戻ると、外にあるベンチに座った。

「はぁ」呼吸を整えるように深呼吸。


きっと先生も、私たちがバイトに来ているって知って驚いているよね……。

偶然とは思ってないよ……。

もう、色々とバレバレな気がする……。



「美月!」

「先生!」

私は小走りで駆け寄る。



「……あ……」

私はピタリと先生の前で立ち止まる。

あれ? 今……前から来た人が先生だとすぐに分かった……。


「どうしたの?」

立ち止まる私に、先生が声をかける。

「あ、ううん」

あれ、なんで分かったんだろう……さっき見た私服だからかな……手を上げていたからかな……。

先生の低い声で……?


「美月、家まで送っていくよ」

「あ、うん」


本当は先生とどこかへ行きたいけど……。

そんなふうに思いながら、家までの道を歩く。


ゆっくり


ゆっくり━━━━。