「小島先生みんなにお菓子を買ってきたから、手が空いている先生からお昼に入ってもらって」
「はい、わかりました」
「副園長先生って優しそうだね」
小声で耳打ちするようにエー子が言った。
「うん、そうだね」
先生たちのことも、とても大切にしている感じがよくわかる。
「園長が荷物を持って来てくれるはずなんだけど。園長ー、園長ー!」
副園長が玄関から外へ向かって大声で呼んでいる。
園長が来るのかと、私とエー子に緊張が走った。
するとそこへ、大きな紙袋を両手に持った男性が入って来た。
「園長、お疲れ様です」
「ご苦労さまー。小島先生、留守中は何も変わったことはありませんでしたか?」
「よいしょ」と言うように両手に持った荷物を置くと、その男性は小島先生に声をかけた。
「はい、何事もなく」
「それはよかった」
とても長身で細身のこの人が園長先生なんだ……。
再び小島先生に紹介され、挨拶をする。
とても柔らかな言葉遣いから、優しい人柄だと感じさせた。