夏休みに入ったというのに続く雨に、さすがにうんざりしていた。

最近は梅雨もダラダラ続くし、続くと思ったらいつの間にか梅雨明けしていたり……。

このままだと、七夕祭りは大丈夫なのかと心配になる。

私は雨空を見上げた。

最近、星空も見てないなぁ……。

圭先生、元気かなぁ……連絡しちゃおうかなぁ……。


「あー、ジメジメやだねー」

隣でエー子が大きなため息をついた。

エー子とは最寄駅が一緒で、今日は私が起きてるか心配だからと早めに迎えに来てくれた。

べつに駅で待ち合わせでもよかったのに、そんなに信用ないのかと思ってしまう。

ま、寝坊したけど。


「こんなんで、七夕祭りできんのかね?」

「あーそれ、私も思ってたー。今週末なんでしょ? 危なそうだよねー」

「うん。うまいこと七夕の日が日曜日で、その日がお祭りって聞いたけど」

ほぼエー子任せで、今日からバイトする幼稚園のことを私は何も知らずにいた。

最寄駅から電車に乗って、学校へ行く時とは逆の一つ目の駅。

隣駅に幼稚園はあるらしい。

家から近いってことも、お母さんが渋々許してくれた理由ではあったけど。

そんな近くに幼稚園なんてあったかな?と何度も考えた。