「当たってるー!!」

エー子がさらに身を乗り出し叫んだ。


「それ、美月そのものじゃん!」

「……」

確かに……前の私はいつも誰かと一緒で、それが当たり前だった。

一人でいるのが、なんだか落ち着かなくて、誰かといないと不安だった。

今も誰かと居たら安心だけど、相貌失認になってから一人になりたいと思うことが急激に増えていた。


「へーこれ、おもしろいねー。アタシのも知りたいわぁ」

まじまじとプリントを見つめるエー子。

「このドラゴンテイルってやつは? "射手座"って書いてあるけど、これは美月が射手座ってこと?」

「うん、私のドラゴンテイルは射手座なんだって。前世から持ってきたものらしい」

「持ってきたもの?」

「自分のクセとか、慣れ親しんだものとか。それは良くも悪くも」

「へー奥深いー。そんなこともわかるんだねー」


「私のドラゴンテイルは……『自分の考え方や意見を他人に認めてもらいたいという願望がとても強いです。自分が話したいことは延々と話しますが、他人の話は聞きません。周りの人からはただただ突っ走っているだけと思われているかもしれません』……」

「当たってるー!!」

「えーっ、うそー」

エー子の言葉に驚く……だってこれ、単なるワガママな奴ってことじゃない。


「人の話を聞かないってことはないけどさ、前の美月は本当に一人で突っ走ってるって言葉がピッタリだったよ」

「……私、そんなんだった?」

「うん。なんでも相談してくれればいいのにって、いつも思ってたし。チア部の中でもそれを誤解している子もいたし……」

「……そうなんだ……」