「お母さんも来て安心したので、僕は帰ります」
「ありがとうございました。本当に助かりました。美月! あんたも早くお礼言いなさい!」
「~~~~」
もう! お母さんはっ!
「先生、ありがと。勉強するね」
そう言いながら、もらった資料を上げた。
「ああ、感想待ってるよ」
「はーい」
あんなことがあったのに、こんなに気持ちが軽くいられるのは、先生がいてくれたから。
私が持っていた思いや抱えていた感情を聞いてくれたから……。
でも……先生も自分の話したくない思いを話してくれた。
あれはどういう意味なんだろう。
私には話してもいいと思ってくれたってことだろうか……。
帰っていく先生の後ろ姿。
改札を抜け、見えなくなるまで見つめ続けた。
「……」
先生……。