「……歩むべき道……宿命……」

「詳しく書いてあるから、ゆっくり読んでみて」

「うん! ありがとう!」


ペラッと開くと、A4サイズの紙に細かく書かれていた。

それでも、私が読みやすいようにか、ちょっと大きめの文字とドラゴンのイラストが挿入され、息抜きできるようになっていた。

私が活字苦手って言ったの覚えてくれていたのかな。




「美月ー!」


大きく私の名前を呼ぶ声に振り向くと、雨の中傘を振り乱しながら走ってくる女性の姿があった。


「……お母さん……」

あの走り方……その姿から相当慌てているのがわかる。


「美月! いったいどうしたの!? 警察から連絡があって、もうビックリして……」

いつも以上に動揺しているのがわかる。


「あ、こちら星北高の先生なの。助けてくれて」

私は後ろに立つ先生へ振り向き、お母さんに言った。


「まあ! ありがとうございます。ご迷惑をおかけして」

お母さんは深々と頭を下げた。


ご迷惑をおかけして……って、私は何もしてないんだけどな……。

まぁ、先生も巻き込んじゃったし、迷惑は迷惑か……。