「うちはさ、両親が一緒に仕事をしていて、母親も厳しくてさ。他の友達と環境が違ってて、それでいつからか嫌がらせとか、なんていうか「金持ちのくせに」とか暴言吐かれたり……」
「先生……」
言葉が途切れ途切れになるのに気づき、先生を見上げた。
「……ごめん、思い出したら、ちょっとね……」
「……」
先生は話したくないことを、まるで絞り出すように話していた。
「それから人付き合いが嫌で、一人で居ることが増えた。でも、それを母親は許さなかった」
「え……」
「人付き合いが出来ないことを、許さなかった」
「そんな……」
「家業をオレに継がせたいから、コミュニケーションが取れないなんて大問題だ!って。その言葉が負担で苦痛でたまらなかった。だからオレは反発して違う道を選んだんだ」
「それが教師だったの?」
「なんだろうね、昔から星が好きだったから本もたくさん読んでたし、それを人に伝えられる人になりたいとは思っていたかな」
「そっか……」
「だからね、いつも友達に囲まれて笑顔の君が羨ましかったよ」
「……」
うらやましい……?
私が……?