飲み物を買いホームのベンチで休んでいると、ホームの屋根にあたり落ちる雨の音が激しさを増した。
少し肌寒くなり、温かい紅茶を飲んだ。
今のこの時期に温かい飲み物が自販機に残っていたことが奇跡的に思う。
「ご両親に連絡して来てもらおうか?」
コーヒーを飲みながら隣に座った先生が言った。
「……」
私は頭を横に振った。
お巡りさんが来ていたんだもん、きっと家にはもう連絡がいっていると思う。
でも……まだ帰りたいと思えなかった。
先生と一緒にいたいと思った。
「今日はもう帰ろう。送って行くから」
「……」
私は無言でうなずいた。