「まぁ、それに、あなた可愛いから。チカンとか気を付けて」
「!?」
おじさんのお巡りさんが言った言葉に、私は愕然とした。
「それは、可愛かったらこんな危ない目に遭っても仕方ないってことですか!?」
私が言葉を発しようとする前に先生が声を上げた。
「いや……そういう意味じゃ……ちょっとした冗談ですよ」
お巡りさんはしどろもどろになり、先生のキツイ言葉に「ははは」と苦笑いをした。
先生を見上げると、今まで見たことがないような怖い目をしていた。
「先生……」
まるで自分たちが悪いことをして、取り調べを受けているような、そんな重々しい時間が一時間以上続いた。
突然突き飛ばされた恐怖と、長く続いたお巡りさんとの話……。
体の疲れと、心のモヤモヤでぐったりとしていた。