「星北高の先生でしたか」
「はい」
「えーと……羽田 美月さんは……中央学園の生徒さん」
「はい」
お巡りさんの取り調べのような質問は、何十分も続いていた。
「お二人は違う学校ですよね。お知り合いか何かで?」
おじさんの方のお巡りさんの目が、なんだかいやらしく思えるほど、ギラギラと私たちを見つめる。
「はい、知り合いです。僕の妹が彼女と同い年なもので」
「ああ、そうでしたか。妹さんと」
「はい」
「……」
先生……。
気分の悪い質問に、先生は淡々と答えていた。
「突き飛ばされた相手を知らなかった?」
「はい」
「でも『覚えてないの?』って、相手は聞いてきたんだよね? 本当に知らない人?」
「はい……」
「そうか……なんだろうね。一方的な感じだね」
「……」
もう一人のお巡りさんが、私の答えをしきりにメモしていた。
黙る私の肩に先生の手がポンと置かれた。
見上げると、真っすぐ私を見つめて、コクと先生はうなずいた。
それを見て私もうなずく。