「美月!?」
「!」
その聞き覚えのある声に顔を上げる。
「先生!」
人だかりの中で、先生の姿はすぐに見つけられた。
「あ、お知り合いですか?」
「はい」
駅員さんに尋ねられ、私は先生と一緒に駅員室に入った。
「すごい人だかりが出来ていて、見たらその中に美月がいたからビックリしたよ」
「……」
「何があったの?」
「……わからない」
私は頭を横に振った。
「様子を見ていた人たちのお話も聞いて、近くの交番に連絡させてもらいました」
駅員さんの言葉に、大事になっていることに気づく。
しばらくして、駅からすぐ近くの交番から、二人のお巡りさんが駅員室にやって来た。
体格や声から若い男の人と、ベテランといった感じのおじさんのお巡りさんだった。
名前や学校や住所や……とにかく色んなことを聞かれた。
それは私だけでなく、関係のない先生まで……。
それがなんとなく嫌だった。