画面に表示されている数少ない『友だち』リストに、新しく追加された名前。
『広瀬慧』
なんだか新鮮で、落ち着かない。
「友だち……」
「え?」
「友だちが、増えたなって」
わたしは小さくつぶやいた。言葉にすると、すごく子どもっぽいことを言っているなと思う。
だけど、わたしにとっては、特別なことだから。
「……友だちかぁ」
と広瀬くんがオレンジ色の空を仰いで言った。
「まあ、いまはいっか。それでも」
「えっ、なにが?」
「なんでもない」
ニッと笑うきみに、わたしは首を傾げた。
男の子と学校帰りに会って話したり、休みの日に遊んだり。
いままでのわたしからすれば、それは普通のことじゃないけれど。
でも、それはきっと、友達だから。
それなのに、
ーーきみにとって、わたしはどんな存在なんだろう。
どうしても、気になってしまうんだ。