乃亜さんの友達は、みんな明るく髪を染めたり、爪の先までアクセサリーやネイルで飾ったりして、なんの飾り気もないわたしとは大違いだ。
「映画観てきたの?いいなぁ、ノアも観たかったー」
「すっごくよかったですよ!」
来海は憧れの存在を間近で見られて嬉しそうだった。上谷くんも楽しそうに笑っているし、広瀬くんも面倒くさそうな態度をとりながら、和気藹々と話している。
……すごいなあ、みんな。
こんなにキラキラした集団にとても馴染めそうにないわたしは、もはや壁のシミと一体化してしまいそうなくらい存在感を消すことに徹していた。