「それから、大事なこと言い忘れてた。見に来てくれて、ありがとう」

と広瀬くんは言った。

「愛音のこと、ちゃんと見えたよ」

ときみはニッと笑って言う。

「うそ、いちばん後ろの端っこにいたのに?」

「おれ、目はいいほうから。校庭の端から端までだって見えるよ」

「す、すごいね……」

それはいいほうとかいうレベルじゃなく、もはや野生動物レベルな気がする。

「最初で最後の舞台かもしれないから、愛音に絶対見てほしかったんだ」

「え……?」

それ、どういう意味だろう。