予定があるって、なんだか変な感じだ。もしかしたらわたしの勘違いで、そんなのないんじゃないかと思いそうになりながら、早くも明日に迫っていた。

「学祭、上谷くんに行くって言っといたよ」

と来海はすっかり行く気満々だ。

彼の話をするときの来海は、頰をピンク色に染めて、いつもの何倍も女の子らしくて、可愛いなと思う。

上谷くんって、いったいどんな人なんだろう。

いままで誰にもなびかなかった来海をここまで変えてしまうくらいだから、きっと素敵な人なんだろうな。

「そういえば上谷くん、広瀬くんと友達みたいだよ。おなじクラスなんだって」

「えっ、そうなの?」

「ライブ終わったら、4人で回れたらいいよね♪」

「ええっ、いや、それはいいよ」

「えーなんで?楽しそうなのに」

「なんでって……」

両思いの2人と一緒に行動するなんて、なんか気まずいし。

「ていうか、もう言っといたから決定なんだけどね」

「えぇ!?」

「楽しみにしててね♪」

「……う、うん」

どうしてわたしの周りの人はこう強引な人ばかりなんだろう。

押しに弱いわたしは、そんな人たちにいつも振り回されて、結局折れることになる。