バスに飛び乗って、駅の階段を上って、さっき来た道を逆走する。

電車を待つ時間を、こんなにも長く、もどかしく感じたことはなかった。


早く、早くーー

こうしている間にも、広瀬くんがどこかで苦しんでいるかもしれない。

もし、なにかあったら。

この前みたいに傷ついていたら。

もうなにもできないなんて弱音は吐かない。

わたしにできることを全力でする。

そばにいるって決めたから。

だから、


ーー待ってて、広瀬くん。


今度はわたしが、きみを助けるから。