「そういや来海、また告られたって?さすがー」
と佐奈が言う。
「うん、テニス部のとくにタイプでもない3年の先輩。なぜか自信満々で、おれと付き合えとか言うから笑っちゃったー」
来海はかわいらしく笑いながら、サラリとひどいことを言う。
「てか3年のこの時期に告白とかただの現実逃避でしょ。あり得ない。そんな男振って正解よ」
と由香里が毒舌を吐きつつ顔をしかめる。
「だよねーっ」
「あはは……」
会話がハイスペックすぎてまったくついていけない。
いまの、笑うとこだったの?
「でもモテるのも大変だよね。この前、三高の奴にも絡まれてたしねー」
と佐奈が思い出したように言う。
「あったあった。あれしつこかったー」
「絡まれたって、ナンパ?それでどうしたの?」
由香里が顔をひそめる。
「無視したよー、当たり前じゃん」
「だよねー。頭悪いとか無理」
「話合わないし」
「……」
言いたい放題だ。