週末明けにテストが返ってきた。いつも通りの結果だった。

「テストどうだった?」

「全然ダメー」

「今回も倉橋さんが一位だよねー」

「ほんとすごいよね、勉強教えてほしいよ」

そんな会話に、わたしは「そんなことないよ」と適当なことを言って笑う。

小さい頃から勉強が得意で、1番が当たり前だった。苦手な科目なんてなかったし、少しでも苦手だと思えば徹底的に直した。

頑張ればみんな褒めてくれた。褒められると嬉しくて、もっと頑張ろうと思った。

レベルの高いこの学校に入っても変わらず努力を怠らなかったおかげで、学年一位をキープしてきた。

だけど、どんなにいい点数をとっても、もう前みたいに、純粋には喜べなくなった。

テストの点数くらいで一喜一憂できるほどもう子どもじゃないし、いつからか、褒められる喜びより、少しでも下がってはいけないというプレッシャーのほうが大きくなっていた。