「じゃ、冬休みは愛音と遊べないのか」
急にしゅんとする広瀬くんに、不覚にもキュンとしてしまう。
「す……すこしくらい、なら」
周りの音に紛れるくらい小さな声で、そう言った。
「え?」
「あの……だから、すこしくらいなら、いいよ」
「まじで。やった!」
広瀬くんはご褒美をもらった子どもみたいに無邪気に笑った。
「じゃ、やりたいこと考えといて。おれも考えるから」
トクン、と胸が鳴った。
やりたいことーー
そんなの、ひとつしかない。
“広瀬くんと一緒にいたい”
なんて。
恥ずかしいから、絶対に口にはできないけれど。