いただきます、と言って、2人で肉まんを頬張った。
「おいしい」
「だろ。これ毎日食べてるもん。昼も食べたし」
「そんなに?よく飽きないね」
わたしは笑った。
お腹が空いているのもあるけど、寒空の下で食べる肉まんはほんとうにおいしかった。体がポカポカしてきて、元気が出てくる。
「よしっ、やろ」
「気合い入ってんなー愛音」
「頑張らなきゃいけないのは広瀬くんでしょ」
「ですよね……」
いよいよテスト間近なので、わたしも勉強することにする。
「あ、そういうことか。わからなかったとこ、やっと解けた」
「すごい。どんどんレベルあがってる」
「え、ほんと。いまどれくらい?」
「うーん。中3くらいかな」
「おお、すごいじゃん」
それ、すごいのか。いま高校生だってこと忘れてない?
わたしは呆れつつ、でもほんとうに、一緒に勉強をするようになってから、広瀬くんの集中力はすごかった。
『愛音の教え方がうまいからだよ』
なんて広瀬くんは言うけれど、それは間違いなく広瀬くんの努力の成果だと思う。