きっと、山之上神社から眺める夜景は見事なのだろうと思っていた。

 小学生にとっては親の定めた門限は絶対だから、それを見ることは叶わないのだけれど。

 奇跡はいつも超然とした表情で夕焼け空を眺めていて、私は空の藍色に染まった部分に懸命に目をそらす。

「……一番星、みぃつけた」

 そう宣言するのは、いつも私の役割だった。