美人だな、と改めて思う。
その証拠に、校門前を行きかう学生たちがチラチラとこちらに視線を投げてくる。
大学三年以上しかいないこのキャンパスにおいては、服装の奇抜さだけでもよく目立つ。
それに加えて、ドがつく美人である。視線を集めるなという方が難しい。
「……夕食前には帰りますからね」
「門限?」
「いいえ、」
慣れないフルフェイスのヘルメットを恐る恐る被って言う。
「家に待ってる人がいるので」
今日もたぶん、お味噌汁を作って。
私を待っている。
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