「うわ、いる!」

 その、まさかだった。

 恐る恐る校門に向かうと、バレンシアオレンジみたいな髪をかきあげている美女がいた。

 黒い合皮のジャケットに、スキニージーンズ、ごっついブーツ。

 見紛うことなき、才谷杏子だった。

「よう、いたね。神崎はるかさん」

「な、あ、どうしてここに?」

「調べた」

「ストーキング技術っ!」

 恐ろしいことをこともなげに言う才谷は、大きなバイクに気だるげにもたれかかっている。

 初対面のときよりも耳を貫くピアスが大きいし、数が増えている気がする。

 わずか数日で。