「…………そう、ですか」

 目の前の美女が、奇跡の恋人。
 その情報に対して静かに応えた私に、才谷はつまらなさそうに唇を尖らせる。

「驚かないんだ」

「ええ、まあ。姉のセクシャリティを改めて聞いたことはなかったので、こう、そういうこともあるのかなと。あの姉ですし、ぶっちゃけて言えば神社の御神木と恋仲だったとしても、あまり驚かないかもしれません」

「あっはは、御神木ときたか!」

 心底愉快そうに、才谷は笑う。