「っ!」

 才谷が息をつめる。

 どうやら、ビンゴのようだった。

「まさに、この姿だよ。顔立ちや背格好はほとんど同じで、髪が茶色くて、地味な感じの」

「これ、私です」

 ぞく、と背筋が震える。

 画面に映っているのは、少女時代の私の写真だ。

 神崎奇跡のT.S.U.K.U.M.O.は、ヒメムラサキは、かつての私に似ていた?

 いったいどうして、何のために。

「……奇跡さんはね、あのT.S.U.K.U.M.O.を大事にしていたんだ。ってういか溺愛してた。それこそ、恋人かなにかみたいに」

 恋人。

 また、その言葉だ。

 しかし、才谷が自分のことを自称・奇跡の元恋人だと嘯くのとはわけが違う。

 背筋に冷たいものが流れる。