すらりとした長身、引き締まった四肢にタイトなスキニーパンツに飾り気のないTシャツ、そしてマンダリンオレンジみたいな髪。
「……えぁっ?」
思わず、素っ頓狂な声があがる。
そしてその女性――神崎奇跡の自称元恋人、才谷杏子は振り返った。
「えっ」
才谷のほうも驚いたように小さく声を上げる。
「才谷さん……どうしてここに」
『奇跡さんの追悼旅行……それから、杏子でいいってば』
「遠慮しておきます」
ビキビキと体がこわばっていくのが分かる。緊張と警戒で身が固くなる、というのは本当らしい。
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