『はるちゃん?』

「ううん、なんでもない」

 慌てて笑顔を作る。

 潜り込んだ布団は温まってきていて、高ぶっていた神経が静まっているのを感じる。

『それで、はるちゃん。最初の質問だけどどうして奇跡が嫌いなの?』

「うん」

 私は、静かに目を閉じる。

「……それは多分、奇跡が。お姉ちゃんが、私を置いていってしまったからだと思うんだ」