荷物がすこし膨れるけれど、それはそれである。 『うーん、これ結構時間かかるかも~』 「そよ風だからね」 『勢いのあるおならの方がまだ風力が強い』 「小学生!」 先ほどまでの、勝手に気まずくなっていた雰囲気は少しだけ和らいだ。 「はるちゃんの髪、きれいな茶色だよね」 「生まれつきだよ。奇跡の黒髪が、うらやましかった……ひゃんっ」 たまにヒメムラサキの指先が首筋を霞めると「ひゃんっ」と変な声が出てしまうけれど、それはそれである。