ほとんどベッドしかないような狭い部屋。
一応、神崎奇跡が宿泊したというホテルではあるけれど、さすがに同じ部屋かどうかは知るすべがなかった。
「うはぁ、つっっっかれたぁ……」
パリッとした白いシーツに飛び込むと、十三時間に渡る鈍行の旅の疲労が一気に細胞という細胞を攻撃し始めた。
どっと疲れが出た、というやつだ。
『ちょっと~、はやくヒメを外に出してよ~』
「うう、わかったから……、ちょっと、待って」
這うようにして、部屋の隅におろしたリュックに手を伸ばす。
どうにか引きずり出した充電器をコンセントに差し込んで、端末につないだ。
『おお~う、生き返るぅうぅ……』