ヒメムラサキが記録してた奇跡の旅路を負いながら、その死の真相を探る。
――それがこの旅行のテーマである。
『ホテルは駅前の、あれ。あの看板』
「おっけー」
『夕食はどうする? 福井の名物はソースかつ丼に、越前おろしそば。どっちも近くで食べれるよ。あ、あと忍者居酒屋がある!』
「忍者居酒屋はこのうえなく魅力的だけど、とりあえず荷物おろしたいな」
長旅で、くたくただった。
それに、途中で充電式のバッテリーを使用したけれども、すでにヒメムラサキの携帯端末はバッテリー残量が心もとない。
電車での移動も終わったしヒメムラサキを顕現させたいのだけれど、そのためにはとにかく端末を充電しなくてはいけない。
恐竜たちの間をよろめくように歩いて、全国展開のシティホテルにチェックインした。